吃音になる原因はなに?
どうして吃音になってしまったの?
吃音は他の病気と違って、原因がつかみにくい病気ですよね。
しかし、吃音を克服していくためには、なぜ吃音になったのか原因を知ることが大切です。
吃音になる原因を細かく説明していきますので、正しい知識とともに吃音克服を目指していきましょう。
Contents
吃音の原因は遺伝?発達障害?現在に至るまでの原因説
吃音の原因は、遺伝や発達障害だとよく聞くけれど、それって本当なのでしょうか?
だとしたら、吃音は一生治らないんじゃないか…と不安になることもあるかもしれません。
吃音になる原因は人によって違いますし、吃音になる年齢によっても原因は変わってきます。
また、複数の原因が影響し合って、吃音になることもあるんですね。
それらを理解しやすくするために、まずは現在に至るまでに考えられてきた吃音の原因説を説明していきましょう。
吃音の原因説①遺伝が原因で吃音になる
吃音になる原因として、最も多いと考えられているのが遺伝。
その理由としては、吃音になる割合が性別で偏っていることが原因です。
吃音は、女性よりも男性の方が多いと言われているんですね。
つまり、男性優位で吃音の遺伝子を受け継ぎやすいのではないか、ということ。
また、吃音がある人の家族など血縁関係にある人もまた吃音である場合が多いことから、吃音になる原因は遺伝ではないかと考えられています。
しかし、大事なことはこれはあくまで可能性の話だということなんですね。
もちろん、これから明らかにされてくる部分はありますが、親が吃音だからといってその子も吃音になるわけではないのです。
また、吃音が多い家系の中で、遺伝とは別に受け継がれるものもありますよね。
そう、それは生活の習慣やしつけなどで、考え方は半ば遺伝のような形で受け継がれていきます。
そういった育つ家庭の環境が原因となっている可能性も、決して否定はできないということなんですね。
ただし、吃音になる原因として、現段階で一番有力と言われているのが遺伝。
その認識は持っておいた方が良いでしょう。
吃音の原因説②発達障害が原因で吃音になる
吃音になる原因として、遺伝のほかに影響が強いと考えられているのが発達障害。
というのも、人間がなめらかに話すとき、発した言葉を自分の耳で聞きながら自然と微調整をしているんですね。
それを行うことによって、なめらかに話すことができる。
しかし、耳が良くない人はなめらかに話すことが難しい場合もあるでしょう。
また、吃音でない人でも、なめらかに話せないことがあります。
たとえば、プールなど水の中で音がうまく聞き取れない場合やヘッドホンなどをした状態で話すと、思ったように話すことができません。
このようなことから何らかの形で、自分の声を聞いて声に変換する機能に障害をもつことが吃音になる原因ではないかと考えられています。
しかし、この原因説にはうまく証明できない部分もあるんですね。
というのも、吃音でない人がなめらかに話すことができない場合と、吃音の人がなめらかに話すことができない場合とでは状況が全く違うから。
前者の「人工的に作られた状態」と吃音の人の「自然発生した状態」では、原因は違うのではないか、ということです。
こちらの原因説についても仮説段階なので、そういった可能性もあるのだと認識しておく必要があるでしょう。
いずれにしても、吃音になる原因は一つとは限りません。
また、環境による原因もまた、心理的には大きく影響してくることは確かなのです。
そして、吃音になる原因は、
- 大人になってから吃音になったのか?
- 子供のころに吃音になったのか?
でも大きく変わってきます。
実質、吃音の克服は、これらで方法が異なることも多いのです。
次に、それについて詳しく見ていきましょう。
吃音の原因②大人や子供によって異なる吃音になる原因
吃音になる原因は、大人になってから吃音になるのか、子供の段階で吃音になるのかでも原因が変わってくるんですね。
大きく分けると、吃音は以下の3種類に分けることができます。
- 発達性吃音
- 獲得性神経原生吃音
- 獲得性心因性吃音
それぞれの吃音について、原因を見ていきましょう。
吃音の原因①発達性吃音の場合
発達性吃音は子供の頃に吃音になった場合、これに当てはまります。
子供が吃音になる原因は一つであるとは限りませんし、また原因が明らかでないことも多いんですね。
しかし、多くの場合はこれらの原因が考えられます。
- 体質的な原因(子供自身に、吃音になりやすい体質がある)
- 発達面での原因(成長にともない、多くの機能が発達する中で歪みを獲得する)
- 環境面での原因(周りの人との人間関係や生活の中で獲得する)
子供の頃は、一気に様々な機能が発達していきますよね。
身体能力や言語能力はもちろん、社会性を身につけたり、心理的にも自立してくる時期です。
その中で、うまくバランスが保てないと吃音の原因になってしまうことがあるんですね。
吃音は子供の頃になることが多いものですが、それは育て方が原因ではありません。
しかし、吃音が出ることを厳しく注意することは、ストレスとなって吃音を助長させることにつながります。
子供に吃音がみられた場合は、原因特定を追求することは良いこととは限りません。
それによって、間接的にでも子供本人が吃音であることを気にし始めることがあるからです。
そして、そのことが吃音を悪化させる原因になることがあるからなんですね。
伸び伸びと本人が話したいことを聞いてあげることに注力することが大切です。
吃音の原因②獲得性神経原生吃音の場合
獲得性神経原生吃音。なにやら難しい名前ですよね。
この吃音は、一言で言ってしまえば、病気が原因で吃音になること。
話す機能は、脳や神経が強く関係しています。
そのため、それらの器官にダメージを受けてしまうことが原因で吃音になるということなんですね。
たとえば、以下のような病気や外傷が原因で吃音になることがあります。
- 脳血管の障害
- 頭部外傷
- 神経疾患
- 変性疾患
これらが原因で、思ったように話せない・どもるなどといった吃音の症状が出てしまいます。
このような原因による吃音は、大人でも子供でもなる場合がありますよね。
実際は医者や言語聴覚士などの助けを借りながら、話す機能を取り戻すリハビリが必要になってくるでしょう。
吃音の原因③獲得性心因性吃音の場合
心理的な原因から吃音になることを、獲得性心因性吃音と言います。
この吃音は、精神的にある程度自立した10代後半以降に始まることが多いのが特徴。
特に、以下のような心理的ストレスが原因で吃音になることが多いです。
- 周りの人に、自分の話し方をからかわれた
- 人前で話すときに、思うように話せなかった
- 自分の話し方が気に入らない
このように、必要以上に話すことを意識することで、吃音になってしまうんですね。
実際、大人の吃音は本人が吃音になっていることを自覚していないことも多いのです。
そのため、間違った方法で無理やり治そうとして、より一層吃音を悪化させてしまう人も少なくありません。
力技で吃音と向き合うと話すこと自体困難になってしまったり、うつ病など他の精神疾患に繋がる可能性もあります。
うまく言葉が出ない・どもるなどの吃音の症状があれば、まずは正しい克服法を知ることから始めるのが得策と言えるでしょう。
吃音の原因と正しい克服方法を知るために
吃音は原因に限らず、正しい方法と地道な努力が克服するための鍵になります。
もちろん、吃音の克服は大変なものと言えるでしょう。
しかし、正しい方法で実践していくことで、確実に効果を実感することができます。
それによって、自分の話し方に自信を持てるようになれば、次第に克服が見えてきますよ。
吃音克服を目指す方はこちら