大家さんの悩みとして、多いのはやはり空室対策ではないでしょうか。

空室対策にもいろいろありますが、その中でも今回は、共用部の掃除について書いていきたいと思います。

 

アパートの共用部の掃除ができていない場合どうなるのか

まずは、物件の掃除ができていない場合のデメリットを考えていきたいと思います。

入居者モラルが低下する

アパートの共用部の掃除ができていないと、入居者のモラルが下がってしまうということがあります。モラルの高い入居者はきれい好きで、自分でも玄関前を掃いたり、ドアを拭いたりするような方たちです。

そういう人たちはクレームや要望なども多いのですが、ある程度金銭感覚のバランスが良い人が多いので、貯蓄も多く、家賃を滞納することも少ない人が多いです。基本的に良い入居者になることが多いです。

きれい好きとはいっても、アパート全体を掃除してくれることは絶対ありません。

アパート全体が汚いと、不満がたまり引っ越しを検討するようになってしまいます。

汚れている共用部のままで、そのあとに入居してくる人は、アパートの共用部の汚さが気にならない人しか入ってきません。

汚れているのが平気な人なので、汚すのも平気です。

敷地内にたばこの吸い殻を捨てたり、粗大ごみを放置したり、部屋の中の扱いも荒い人がおおいようです。

人の迷惑を考えない人が多いので、家賃滞納などのリスクも増えてきます。

共用部が汚いだけで大げさな・・・と思われるかもしれませんが、現実に汚いアパートでは家賃の踏み倒しがなぜか多いです。

また、家賃の踏み倒しされた部屋の中は、とても汚れていることが多いです。

 

退去時のリフォーム費用

「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」が、広まったことから退去時のリフォーム費用が入居者の負担が軽くなり、大家へ負担が重くのしかかるようになってきました。

となれば、大事に住んでもらえる入居者に入居してもらいたいですよね。

アパートの共用部が汚くても平気な入居者と、キレイじゃないと嫌な入居者、どちらのほうが部屋の中をきれいに使ってくれるかは、想像するのは容易ですね。

アパートの共用部を汚れたままにしておくと、前者の入居者が増えてしまいます。よって、退去時のリフォーム費用にも関係してくるのです。

 

入居者からの苦情

当たり前ですが、共益費をしっかり払っているのに、共用部が汚れているのは、入居者からすれば納得がいかないですよね。

特に多いのが、ベランダ側の雑草がボーボーになっているというクレームです。電球が切れっぱなしというのも多いです。

 

近隣からの苦情

アパートが汚いと、近隣からもクレームが来ます。

クレームが来ていなかったとしても、絶対に良く思われてはいません。

苦情で多いのは、ごみの散乱、雑草、粗大ごみの放置などです。放火などの事件が起こりやすくなるリスクがあったりするので、近隣の方がとても嫌がります。

 

募集店(客付けの不動産屋)さんからのイメージダウン

入居者募集の際に、内覧希望者をつれてきてくれるのが、客付けの不動産屋の営業マンです。

もちろん一緒に内覧します。その際に共用部が汚れていると、とても恥ずかしいそうです。

こんな汚いアパート斡旋しないでよとお客さんに言われてしまっては、営業マンも今後このアパートは紹介するのを躊躇するようになってしまいますね。

マストやダイワハウスなどのアパートの入居率が高い理由は、共用部がきれいだとわかっているから斡旋しやすいからだと、ある客付けの営業マンから聞いたことがあります。

 

結果として家賃の値下げにも・・・

入居率が低ければ、家賃を下げてでも入居率を上げようとなってしまうのは言うまでもありません。

 

管理会社が掃除を完璧にすることはできない

うちは掃除を管理会社にお願いしているから大丈夫と思っていませんか?

じつは、任せきりだと払っているお金に見合わない程度の清掃しかしてもらえないかもしれません。

なぜなら、あなたのアパートは数ある管理物件のひとつであり、すべてのアパートに個別に対応するのがとても難しいなどの理由があるからです。

 

掃除は管理会社がやってくれていると安心してはいけない

管理会社の清掃は、3パターンです。1つめ、専門の清掃員に頼んでいる。

2つめ、社員が暇なときにやっている。

3つめシルバー人材センターに依頼している。

3つのうちどれが一番理想かというと、どれも一長一短です。

2つめの管理会社の社員がヒマなときやっているのは、社員なのできれいにやってもらえそうですが、スーツのままで軍手だけして、周囲のゴミ拾いのみだったりします。

3つめのシルバー人材センターの場合は、当たりはずれがとても多く、時間通りにキッチリ作業してくれる人もいれば、ほとんど休憩ばかりだったり、そもそも掃除してくれていなかったりいろいろです。

あと、電球の上や換気扇フードの上などの手の届かない高い場所は絶対に掃除してくれません。

1つめの専門の清掃員がいちばんクオリティーが安定しているのですが、管理会社が出している金額がとても低かったりすると、5分で帰ってしまうなんてことも・・・

 

管理会社の掃除を3倍効率よくする方法

では、管理会社にしっかりお掃除してもらうにはどうしたらいいのでしょうか。それは、大家がしっかり見ているよとアピールすることと、どこをきれいにしてほしいか伝えることです。

 

半年に一度は自分の目で見て管理会社と打合せする

まずは自分の目で、今アパートがどのような掃除の状況なのか見ておく必要があります。

できれば、前回いつ掃除に入ったのかを管理会社に聞いておくとよいでしょう。掃除が入った直後に行くのがおすすめです。

放置されている自転車はないか。通路にゴミやホコリがないか、通路の横の排水溝はキレイか、草木はボーボーじゃないか、敷地の隅に放置された家具などはないか、しっかり確認しておきましょう。そのうえで、管理会社の担当者と掃除の計画をたててもらいましょう。

 

管理会社がやりにくいポイントを知っておく

管理会社の清掃員がやりにくい場所もあることを知っておきましょう。

ベランダ側…入居者の部屋の中が見えてしまうので、クレームになりやすく、ベランダ側には回り込みにくいです。

放置された粗大ごみや自転車…そもそも清掃員は粗大ごみを持って帰ることはできませんし、誰の物かもわからないので、捨てようもありません。

広い庭…アパートの敷地があまりに広いと、清掃単価が低い場合、やってもらえないことが多いです。

床のカビ…ひごろから高圧洗浄機を持ち歩いている清掃員さんもごくたまにいますが、ほとんどの人はホウキとちり取りと雑巾くらいしか持っていませんし、床の洗浄は別料金の場合がほとんどです。相場としては1.5万~3万程度です。

やりにくいポイントは、管理会社によってまちまちですので、しっかり打合せして、年に数回はやってもらえいるようにお願いしましょう。また、断られる場合でも、どうしたら解決するのか相談には乗ってくれると思います。

 

清掃員さんと知り合いになっておく

いつも掃除をしてくれる清掃員さんと顔見知りになっておくのは、とてもよいことです。

感謝の気持ちと、少しのお金やお菓子やペットのお茶などを渡しておいて損はありません。

遠方で会う機会がない場合は、管理会社と清掃員と大家での3者面談をお願いしてもいいかもしれません。

 

自分でアパートを掃除する時のポイント

近くにお住まいで、自分でお掃除してしまうのもすごくいいと思います。ここではどのようにお掃除したらよいかをお伝えします。

 

掃除道具の準備

掃除をするのに道具がなくては、はなしになりません。以下のものを用意して、専用の箱などに収納しておきましょう。階段の下などに置くのもよいでしょう。

柄の長いホウキ・ちり取り・ゴミ袋・軍手・ねじりガマ(草刈り用)・クマデ・脚立・養生テープ・雑巾・モップ・剪定ばさみ・噴霧器と除草剤(ラウンドアップやサンフーロン)

ホームセンターなどで簡単に手に入ります。

 

掃除をする日時

理想は、金・土・日です。理由としては、休みの日にキレイになっているほうが、入居者も気付きやすいからです。大家さんが掃除してくれてると入居者も汚してはいけないと緊張感が出ますので、モラルアップになります。

 

掃除の実践

まずは、電球のチェックからしましょう。どこかに共用灯のセンサーがあるので、雑巾で隠して暗くしましょう。共用灯が切れていたら、交換しましょう。あらかじめ電球の種類を調べて書き留めておくとよいでしょう。

掃除は上から下が基本です。2階建てなら、2階の廊下の高い所のホコリ払いや、電球の交換から始めると、床にホコリが落ちて、2度手間になりません。

そこから、インターホンや消火器や小窓やサッシのホコリなどを拭き掃除して、手すり、排水溝、床の掃き掃除の順番でやっていきましょう。

階段を掃いたら1階も2階と同じような流れでいきましょう。

最後にセンサーの雑巾を外して、共用灯の消灯と忘れ物などをを確認して終了です。

周囲に雑草などがあれば、大きいものは手で抜いて、小さいものは除草剤を噴霧して枯らしてしまいましょう。

除草剤は身体や地球に優しいラウンドアップやサンフーロンがおすすめです。

 

掃除の継続

掃除は、一度だけでは全く意味がありません。少なくとも月に1回は掃除しておきたいものです。

とはいえ毎週する必要はありません。月に1度か2度がいいでしょう。

繁忙期の2月や3月になってあわてて掃除しても意味がありませんので、定期的にやりましょう。

なぜなら、不動産の営業マンはアパートが汚いと、紹介しづらいので、日ごろからキレイなアパートを優先してしまいがちだからです。

 

管理会社以外の清掃業者に依頼してみる

定期的に掃除することの大切さは、わかっていただけたと思います。

ですが、遠方だったり、管理会社に掃除のサービスがなかったり、満足のいく掃除をしてくれなかったり、いろいろな理由から定期的に掃除ができないこともありますよね。

そういったときは地域の掃除屋さんにお願いすることもできますよ。

 

料金の相場は、アパートの掃除を専門にやっている業者で月1回で5千円~1万円程度です。

月2回ですと割安になって、6千円~1.5万円くらいです。おススメは清掃会社の社員が巡回してくれるサービスのある会社です。

 

例として、横浜のアパートを掃除してくれる会社を紹介しておきます。

横浜でアパートの共用部の掃除をしてくれる業者

 

まとめ

アパートやマンションをキレイに保つには、大家さんだけではとても大変です。

管理会社や清掃員や清掃業者の協力なくしてはなりたちません。しっかりと打合せをして、入居者に気持ちよく生活してもらえるようにするのが、入居率アップにもつながります。

 

 

この記事を書いた人

やっすー
某清掃協会認定講師で不動産管理のプロ
好きなタレントは、ムロツヨシと石原さとみ
妻と長男と次男との4人暮らし
困っている人は、ほおっておけない性格、パッション(情熱)の人。
好きな食べ物は、餃子・生姜焼き・唐揚げ・ステーキ