低用量ピル(経口避妊薬)の服用や、月経開始遅延の原因、低用量ピル(経口避妊薬)の副作用についてご紹介します。

ピルでホルモンの変動

低用量ピル(経口避妊薬)服薬女性に多い生理不順の原因

避妊を目的にピルを服用している女性,特に最近では低用量ピル(経口避妊薬)を服用している女性が増えています。

低用量ピルを用いている女性の中でも、月経開始が遅延してしまう女性が、近年増加傾向になっていますが、その原因はいくつか考えられます。

月経困難症
       引用:http://www.mochida.co.jp/

1.ストレス

肉体的・精神的にストレスを感じてしまうと交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまいます。

脳の視床下部は自律神経のいわば中枢です。

ストレスにより自律神経のバランスが乱れると、視床下部が適切な指令を出せなくなってしまい、女性ホルモンの分泌にも支障が生じてしまうことがあります。

慢性的にストレスを抱えて悩んでいる方は、まずはストレスを緩和するよう、規則正しい生活を心がける様に努力してみましょう。

ストレスを抱えると、自律神経のバランスが乱れ、女性ホルモンの分泌が異常になってしまいます。

結果的に基礎体温が安定せずに、生理周期の乱れや、体調不良の原因にもなります。

2.無理なダイエット

無理なダイエットを行うと、体の免疫力が落ちるだけでなく、代謝機能も低下してしまいます。

栄養に偏りがある上に、体が必要とする必須栄養素まで不足してしまうので、体調が崩れやすくなり、基礎体温が安定しなくなってしまいます。

食事制限によるダイエットを行う場合には、食事の内容によく注意し、栄養不足や偏食に気を付けましょう。

3.体を冷やす

冷えもまた基礎体温の乱れる原因のひとつと考えられています。

生理中だけでなく日頃からおなかや下半身を冷やさないように注意しましょう。

また体の内部から冷え性を治すには、食事の内容にも気を配る必要があります。

体を温めるといわれている食材を、積極的に取り入れるようにして、体質を改善をできるようにしましょう。

冷たい食べ物や飲み物はほどほどにし、体を芯から温めてくれる食べ物をたくさん食べるようにすると、基礎体温の乱れは自然に改善されていきます。

4.ホルモン異常

卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体化ホルモン(LH)、性腺刺激ホルモン(GnRH)の分泌が不十分であったり、高プロラクチン血症や甲状腺機能異常症によって月経不順、無月経、不妊を招く要因となっている可能性もあります。

基礎体温グラフ
       引用:https://kidona.rakuten.co.jp/

黄体ホルモンの作用と低用量ピル服用の影響

低用量ピル(経口避妊薬)の成分である黄体ホルモン(プロゲステロン)は、子宮内を受精卵が着床しやすいように整え、基礎体温を上げて妊娠しやすい環境にしてくれる、とても大切なホルモンです。

女性の月経周期は四つの時期に分けられ、月経期・卵胞期・排卵期・黄体期と呼ばれています。

血流が良くなり、十分な栄養を子宮内膜に与えることによって、子宮内膜をふわふわで厚くした状態に保ちます。

基礎体温が高温期に入るのも、黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌されている影響です。

黄体ホルモン(プロゲステロン)は、排卵日以降に分泌が増え、次の月経が始まるまでの間の黄体期が最も黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌される時期になります。

他にも黄体ホルモン(プロゲステロン)には、排卵後に子宮内膜やその周辺の血流良くするはたらきがあります。

月経前症候群の原因の一つが、この黄体ホルモン(プロゲステロン)や卵胞ホルモン(エストロゲン)によるホルモンバランスの乱れと言われています。

ホルモンバランスが崩れると月経不順や不正出血の原因にもなります。

低用量ピル(経口避妊薬)を服用すると、体外から女性ホルモンが取り入れられ、女性ホルモンが過剰に分泌されていると脳が判断します。

それにより、女性ホルモンである卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモンの分泌を抑えるよう脳が指示を出します。

卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモンの分泌が抑えられると、体内は妊娠している状態に近い環境になりますので、結果的に排卵が抑制されます。

プロゲステロン

低用量ピル(経口避妊薬)の副作用

低量用ピル(経口避妊薬)は、避妊効果を保ちながら、ホルモン含有量が最小限に抑えられている為、身体への負担はそれほど大きくありません。

しかし、服用開始直後は、症状の程度には個人差がありますが、副作用が現れる事もあります。

ピルの副作用

低量用ピル(経口避妊薬)に身体が慣れるまでは、不正出血や吐き気、倦怠感、頭痛、乳房の張り、など妊娠悪阻(つわり)のような症状が現れることがあります。

この様な症状は低量用ピル(経口避妊薬)の1シート目の1週目は全体で1/3程度、3シート目になると1/20程度の確率で発生すると言われており、通常は服用を続けることで徐々に症状は収まっていきます。

しかし、激しい下痢や嘔吐が長期間続くと低量用ピル(経口避妊薬)の成分をうまく吸収できず、避妊効果が低くなる可能性がありますので、コンドームなどその他の避妊法も併用した方が確実です。

場合によっては、低量用ピルの服用を中止するなど、医師に相談し適切な処置をとる必要があります。

そしてよく耳にするのが、低用量ピル(経口避妊薬)の副作用によって太ってしまうという声です。

結論からいいますと、低用量ピル(経口避妊薬)自体に太るという副作用はありません。

しかしながら、ホルモンバランスの変化によって、一時的に食欲が増加することがあります。

また、副作用としてナトリウムや体液がたまりやすくなるために、むくみや体重増加がみられることもあることから、結果的に低用量ピル(経口避妊薬)の副作用によって太ってしまったという風に感じてしまう方が多いようです。

その他にも、低用量ピル(経口避妊薬)の服用によって、血栓症を起こす確率が上がるということもわかっています。

血栓症とは、血液中にさまざまな原因によって形成された血栓が血管を閉塞し、末梢の血液循環不良による臓器障害を引き起こすもしくは、形成された血栓が血流によって流れてしまい、形成部位とは別の部位の血管を閉塞することにより、臓器に障害を引き起こす病気のことを言います。

低用量ピル(経口避妊薬)の副作用の中でもっとも重大なものが、静脈血栓症です。

発生頻度は低いものの、1度発症してしまうと命に関わる危険性もあります。

日本産科婦人科学会の見解によりますと、低用量ピル(経口避妊薬)を服用していない女性の静脈血栓症の発症率が年間1万人あたり1人から5人であるのに対し、低用量ピル(経口避妊薬)を服用していると1万人あたり3人から9人になります。

特に喫煙者(ヘビースモーカー)、心臓、肝臓、腎臓に持病がある方、血栓症、脳卒中、心筋梗塞の既往がある方、乳がん、子宮がんの既往がある方、妊娠、授乳中の方、肥満の方などは低用量ピル(経口避妊薬)の服用により血栓症を引き起こすリスクが高まりますので服用に関して医師と十分に相談をし、症状などを考慮して慎重に判断する必要があります。

発症時期は、3シート以内が最も多いという研究結果もありますが、下肢の血色不良や痛み、急激な胸痛、頭痛、呂律が回りにくい等の症状があった場合には、すぐに医療機関へ受診してください。

この記事を書いた人

Dr.X
低用量ピルによる避妊について,使い方から薬理作用・副作用まで,なるべくわかりやすく解説します.